序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2011年 01月 12日
近頃の日本の雑誌には、やたら付録付きというのが多い。
付録目当てで雑誌を買う人も多いんだそうで(極端な話、付録だけ手に入れたら、雑誌は読まずに捨てる、とか)。読まずに捨てられてもいい、とにかく買ってもらえれば、というのが作り手側の本音だったりするんだろうか。えらく成り下がったものだ、と、ただただ驚く。 ネットなんてものがない時代に雑誌編集の仕事をしていた私には、このような傾向がまったく理解できず、なんで、なんで??? と、浦島太郎の心境だ。 これだけ物があふれている時代、またこれだけ物を入手する方法が多様化している時代、それでもなお、何かをそこまでして欲しがる、しかもその何か、というのが、ブランドのロゴが入ったポーチだったり、リミテッドエディションのノートだったり、と、まあはっきりいってどうでもいいようなジャンクなものであるわけだから、その気持ち、想像しようにも理解しようにも不可能だ。 まあ中にはとっておきのレシピ集など、あってもいいかな、と思えるようなものもないわけではない。しかし、「おまけ」につられて、という発想そのものは、子供時代のキャラメルとか、「学研の科学」「小学一年生」と完全に同一。「どうせ食べもしないのに(読みもしないのに)おまけにつられて買うなんてもったいない」と、親に小言を言われたのは、決して私だけではないはず。 以前、「スポンサーの言いなり」「スポンサーの顔色をうかがいながら企画内容も決める」昨今の雑誌作りの状況にこの欄で文句をたれたことがあったが、おまけ攻勢も大きくくくればこの流れの延長線上にあるわけで、それ自体はとりたてて驚くほどのことでもない。ただ、こんな状況下にある今どきの雑誌業界で働いている人たちをちょっと気の毒に思うのだ(よけいなお世話かもしれないけど)。つまんなくないのかな。いやにならないのかな。生活のために我慢してるのかな。不感症状態に敢えて自分をもっていくことで適当にやり過ごしてるのかな・・・・・などなどと、それこそよけいなお世話の深読みを、ついついしてしまうのである。 #
by michikonagasaka
| 2011-01-12 16:25
| 考えずにはいられない
2011年 01月 11日
野菜や果物を(ほとんど)スーパーで買わなくなって久しい。なぜなら、遠方から未熟の状態で輸送されてくる物が多く、なによりも美味しくないし、エコ的にもよろしくないから。 で、そのかわりにどうするかというと、私はせっせとマーケットに通う。 チューリッヒ市内には決まった曜日にあちこちに市が立ち、近郊農家や肉屋、魚屋、花屋などが所狭しとスタンドを並べる。家から近いこともあって、私がいつも通っているのはビュルクリプラッツのそれ。毎週火曜と金曜の開催。以前、BSのテレビ番組でご紹介したのもここのマーケットだった。 ↑ところが・・・・。 普段は買い物客でごった返すにぎやかなマーケットなのだが、今朝、行ってみて驚いた。スタンドは4分の1も出ているかどうかという程度だし(スタンドの位置を記した線だけが、冷たいアスファルトの地面にむなしくむき出しになっている。普段はこの線にそって、スタンドがぎっしりと林立)、客の姿もまばら。店の主人たちもヒマそうに新聞などを読んでいたりする。 私がいつも行くオーガニックの八百屋さんは、春菊や水菜、中国野菜なども売っていて、全体に品揃えが豊富だし味もおいしいので愛用しているわけなのだが、今日はこの店ですら、なんだか寂しい感じ。 「グリュエッツィ(スイスドイツ語でこんにちはの意味)」と威勢良く挨拶はしたものの、横目でさーっと品ぞろいを検分したら、春菊はおろか、大根すら出てやしない。お店の人は、すでに「さあ、なににいたしましょう」というモードに入って半分身を乗り出しているのだが、なんだか買う気がそがれ、失礼しました〜ときびすを返して退散してきてしまった。 結局別の店で野菜と果物を少し買い、ブルーのヒヤシンスを買い、子供が好きなトマト入りのパンを買い、普段はそのへんでコーヒーを飲んだりするところをそれも省略して、とっとと帰ってきたところ。 あ〜つまらなかった。 しかし、なぜ、こんなに閑散と? 先週までは地元の学校も休みだったからマーケットが静かなのはわかるけど、もう七草がゆの七日正月も過ぎたじゃない(って、それはスイス人には関係ないが)。商売も、ほら、そろそろちゃんと回転し始めないと。 #
by michikonagasaka
| 2011-01-11 18:41
| 身辺雑記
2011年 01月 07日
フェアリーテールから今年最初のニュースレターが発行されました。 エコ&フェアトレードの商品の紹介、提供だけでなく、幅広くサステイナブル関連の情報も発信していくことがフェアリーテールのミッション。毎号、日本語版と英語版のバイリンガル発行です。 ニュースレターの定期購読をご希望の方はこちらからお申し込みください(お名前とメールアドレスをご記入ください)。 今年もフェアリーテールをどうぞよろしくお願いいたします! #
by michikonagasaka
| 2011-01-07 06:41
| fairy tale & サステイナブル
2011年 01月 04日
年末年始の休暇をイスラエルで過ごし、寒いスイスに戻ったのが2日前。 イスラエルに行くのは今回で三回目だが、毎度のことながら、この国の特殊な側面にあれこれ目がいく。 今回何よりも強烈だったのは、フレンチ・ユダヤ人の大群。テルアビブで滞在したホテルでも、また紅海に面したリゾート地エラートで滞在したホテル、散策したビーチ沿いのプロムナードでも、聞こえてくるのはフランス語ばかり。そしてその彼らが、揃いに揃って ぶっ倒れるほどお行儀悪く、感じ悪い のだった。 パリにももちろんお行儀悪く、感じ悪い人はたくさんいるけれど、今回の彼らは、その程度においても量においても群を抜いていた。 エレベーターでも乗り物でも「降りる人が先」と信じきっている私(とその家族)は、ややもすると降りそこねそうになることが何度もあった。なにしろ、彼らは、中から人が出ようとしようがまったくおかまいなしに我先にとすごい勢いで乗り込んでくるのである。 ところ構わず大声で話し、テーブルの上に足は投げ出す、皿やグラスはガッチャンとすごい音を立てて置くし、食べ物はとり放題とっておいて、豪快に残す。 飛行機の座席は、スチュワーデスの度重なる注意にもかかわらず、離着陸時にもおかまいなく倒したまま、携帯電話も切らずに堂々と遊んでいる。 そんな彼ら、子供たちは(赤ちゃんに至るまで)ものすごく高い確率でUggブーツと、アバクロンビ服を着ている。(体格のよい)ママは裸直前みたいなドレスに毛皮、シャネルのバッグ、みたいな感じで、パパはやっぱりアバクロのポロシャツ着て、シガーみたいな。ティーンズたちは、アバクロ(これ、いくらなんでも馬鹿の一つ覚え)かミスシクスティーン、クイックシルバーかロクシーにUGGかコンバース。従兄弟同士だか、友人同士だか、たいがいが数家族連れ立ってのバカンスで、久しぶりに一緒に休暇を過ごすせいもあって、異様なハイ状態で、買い物意欲なんかもフルパワー全開状態。全体的に肌の色がやや褐色気味で髪も濃い目であるところから、モロッコ、チュニジアあたり出身の、けれどフランス国籍を持ち、パリに在住していると思われる彼らの、この目を見張る成金、無法者ぶりには、通常はイケイケのはずのロシア勢もたじたじ。 ましてや、普通は我が儘でobnoxiousなことで悪評高いNYのJAP(Jewish American Princess)なんて、まったく歯が立たず。大人しい以外のなにものでもない。 そんな彼らに圧倒される旅ではあったけれど、夫の従兄でコウモリ研究者(!)のCの案内で、砂漠をランドローバーで横断したり、べドゥインのテントでチャイを飲んだり、イスラエルに移住したロンドン時代の旧友と再会したり、地元の友人にテルアビブのヒップなフュージョンアジアのレストランに連れて行ってもらったり、と、ポジティブでアドベンチャラスな体験ももちろんいくつか。 今回は、politically incorrectにぶちまけてしまった。が、人の大ざっぱな印象などというのは、とかくこんなもんだ。原則的には安易な一般化はしないよう自分に戒めている私だけど、たまには力ぬいて「え〜い、いっちゃえ」と、そうやけっぱちな気分にさせるだけの集団的パワーをあの人たちは確実に濃厚に放出していた。 しかし、強烈な個性と我とプライドを持つ多くの人々が住み、訪れるこの国に、平和が訪れる日は、果たして来るんだろうか。(非常に悲観的。) #
by michikonagasaka
| 2011-01-04 20:20
| 身辺雑記
2010年 12月 24日
年末年始休業のお知らせ 12月24日から1月2日まで、ショールームの営業はお休みさせていただきます。 オンラインショップは、この期間中も営業しております。 この場をお借りしまして、今年一年、フェアリーテールを応援してくださったみなさまにあらためてお礼を申し上げます。2011年がみなさまにとりまして、よい年でありますことをお祈り申し上げます。 また新年、みなさまにお目にかかれることを楽しみにしております。 #
by michikonagasaka
| 2010-12-24 01:04
| fairy tale & サステイナブル
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