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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2009年 08月 02日
ニューヨークからいったん戻り、数日、涼しいスイスで過ごしたあと、今度はイタリアへ。
ウンブリアとトスカーナの境にある友だち一家の別荘で1週間お世話になって、きのう再びスイスに戻ってきた。大人四人、子供四人(15歳、14歳二人、8歳)でにぎやかに楽しく過ごしたが、ことのほか素晴らしかったのが朝の時間。さわやかな空気の中、男二人は歩いて山を下り、村のパン屋までパンを買いに行く。山を下り、といっても、その距離、半端じゃなく、往復で一時間半というすごいものなのだが、連日午前様であるにもかかわらず、7時きっかりに家を出て、セミがミンミン鳴きだすころに戻ってくる。その間、ゆるゆると起き出した私は、テラスの長いすで朝の読書。子供たちは昼近くまで寝ているので、ものすごく静かだ。 汗だくで戻った男たちがシャワーを浴びている間にコーヒーを入れて、テラスのテーブルに朝ごはんの用意をする。家の女主人もその頃、起きてきて用意に加わる。昼も夜も、ご飯は8人一緒だけれど、朝だけは大人だけの時間。パン屋の隣にある食材店で買ってきた新鮮なモッツァレラに自家製オリーブオイルをかけて食べるこの家の主人は、レバノン出身。地中海沿岸諸国の朝ごはん風景に、白チーズとオリーブオイルは欠かせないアイテムだが、対するうちの夫のお気に入り朝ごはんアイテムは、近所のマンマ手作りのクインツ(花梨)のジャムとリコッタチーズの組み合わせ。私はといえば、朝はたま~にヨーグルトを少し食べる以外は、基本的にはたんぱく質を必要としないたちなので、もっぱらパンとバターとジャム、そしてコーヒー。せっかく往復一時間半かけて買ってきてくれるパンだけれど、いかんせん、イタリアのパンはまずい。普段、スイスのパンもまずい、まずいと文句をたれている私だが、イタリアのパンのまずさはスイスのそれをはるかに上回る。と、そんなわけで、すばらしい朝のセッティングの中、平和で雰囲気あふれる朝ごはんではあるが、味という点では残念ながら、やっぱりフランスのようなわけにはいかない。 うちの子供たちも、このイタリア休暇中は、楽器のお稽古や補習校の宿題からも一切解放されて、それはそれはレイジーにお楽しみのご様子。相変わらずの兄弟げんかはここでも引き続き繰り広げられるが、私は無介入を決め込んだ。長年の経験で、介入すればするほど、事態は悪化することを、ようやく最近悟ったからだが、それにしてもこの兄弟、いつか仲良しになる日が来るんだろうか。世界に二人きりの兄弟なのに、こんなに醜い喧嘩を続けるばかりで・・・と、私はため息をつく。友人一家の子供たち二人も、ときどき喧嘩をしているようだったけれど、内容といい、規模といい、しつこさといい、うちのふたりのそれにくらべれば、平和で大人しいもんだ、と羨ましくもなる。 帰りの飛行機の中でも相変わらず兄は妹をいびり続け、妹は憎まれ口をたたき続ける。私はi-podのイヤフォンで聴覚をシャットアウトして、イタリアで読みきれなかった小説に没頭する。 「これまでに経験した中で、もっとも難しい仕事は、子育て」という点で、イタリアの友人ともピタリと意見が一致した。ちなみにその友人夫婦の子供二人は、ベトナムからの養子で、彼らの実の子供ではない。私の想像を大きく超える困難や迷い、不安が、彼らにはきっとあるはずだ。プールで勢いよく水しぶきをあげ、歓声をあげて遊びに興じるわが子二人、彼らの子供二人の姿を目で追いながら、さあて、あと5年、いやもうちょっと、なんとか頑張るか、と、(決して長続きしない)決意を新たにしたのだった。
by michikonagasaka
| 2009-08-02 15:42
| こども
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