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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2009年 08月 25日
子供がだんだん大きくなって、やっと(本当にやっと)「夏休み中にのんびり読書」という絵に描いた餅が、リアリティに一歩近づいてきた。大変喜ばしいことだ。
で、どんな本を読んだのかというと・・・ 「華岡青洲の妻」(有吉佐和子・新潮文庫) 「家守綺譚」(梨木香歩・新潮文庫) 「西の魔女が死んだ」(梨木 香歩・新潮文庫) 「風味絶佳 」(山田詠美・文春文庫) 「A Long Way Gone: Memoirs of a Boy Soldier 」(Ishmael Beah) 「それから」(夏目漱石・岩波文庫) 「国境を越えるフィリピン 村人の民族誌 」(長坂格・明日香書房) まだいろいろもれていそうだけど、今思い出せるのはこれだけ。 中で私が選んだナンバーワンは「家守綺譚」。 ![]() 主人公は、「君、けしからんよ。やめたまえ」みたいな旧制高校口調の物書きの卵。それが、どう考えても京都の、それも左京区岩倉とか一乗寺とか、そんなあたりで、なぜかバリバリ関東風の言葉で、庭の草木やら近所の寺の坊主、となりのおばちゃん、それにときどき登場する死んだ友人の幽霊なんかと交流するさまをつぶやいている、ただそれだけのことなのだが、こういう小説っていうのもありなんだなあと、「読む楽しみ」のみが純粋に刺激される。とっても巧みな日本語技、そして一人笑いを誘うユーモア満載。 「国境を越える・・・」は、ものすごいボリュームでちょっとたじたじとなるが、文化人類学者の弟が頑張って書いた本なので、応援の気持ちをこめて読んでみた(まだ途中だけど)。身内ながら、すごい力作! 長年にわたるまじめなフィールドワークの蓄積と、文化人類学的なものの見方(というのは、必ずしも彼の研究対象にのみ向かうものではないが)、そして研究対象に対する愛着、そういったものがアカデミックな、けれど意外に平易でわかりやすい文体の底からむくむくと立ち上ってきてパワフルだ。 と、家族PRはこのへんで。読書といえば、本日付朝日新聞の文芸時評で斎藤美奈子さんが書いていた「わかりやすさへの抵抗」という文章が、私が常々抱いている感覚を、あまりに見事にインテリジェントに言い当ててくれていたので、その一部を抜粋しておこう。 「・・・が、本を閉じてふと目をあげると、不条理な出来事を「わかりやすい物語」に押し込めようとする力が世の中ではいかに強いか気づくのだ。 ショーアップされた裁判員裁判を歓迎する声であれ、元アイドル歌手の覚醒剤事件を「心の闇」などという分かった風な言葉で断罪するこえであれ。 『太陽を曳く馬』(注:この時評で今回とりあげられていた高村薫の著作)の立ち位置はいわばそれらの対極にあるといってもいいだろう。ここに万人が頷けるわかりやすい解はない。が、合田と彰之を通して秋道と和哉の世界にわずかながら理解が届く。「わかりやすさ」に対抗するにはこのくらいの物量が必要なのかもしれない。」 と、こうくれば、もはや『太陽を曳く馬』、読んでみるしかないじゃないですか!
by michikonagasaka
| 2009-08-25 21:58
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