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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2009年 10月 28日
娘(9歳)は、目下、フレンチリセの秋休み中。せっかくのお休みだというのに、鬼母は娘を当地の日本人学校に体験入学させることに。当然、娘はその待遇に不満で「みんなが遊んでるときになんで私だけ学校に行かなきゃいけないの???」と、到底納得できない旨を表明。
しかし問答無用で送り込まれた体験入学の初日をなんとか無事終えて帰宅した娘は、いきなり「リセから日本人学校に転校したい」というではないか。 「え、そんなに楽しかったの?」 「あのね、お弁当の時間、先生と子供たちが一緒にご飯食べるんだよ。しかも、ご飯食べてる間にしゃべってもいいんだよ」 と、その事態をまるで「奇跡到来」のように語る。 「休み時間に、先生が子供たちといっしょに遊ぶんだよ。バスケットボールやって、二人三脚やって、それから放課後はなわとびやった」 フランスの家庭が「大人と子供」の生活シーンをわりと厳格に区別するように、フランスの学校もまた、先生と子供の居場所は厳格に区別されている。お昼ごはんタイムに、先生たちは、決して子供たちといっしょにご飯を食べることはしない。子供たちがご飯を食べているのを監督するのはsurveillantと呼ばれるお世話係の人たちの仕事。休み時間、校庭で遊ぶ子どもたちを監督するのも、やっぱりsurveillant。先生はあくまで「授業の時間に教室に登場して勉強を教える人」であって、決して子供たちとずっとべったり時を共有するお世話係ではない。そういう環境に何年も暮らしてきた娘にとって、この日本人学校のアットホームな雰囲気は、ものすごく魅力的なものとうつったようだ。 なにしろチューリッヒの日本人学校は生徒数が少なく、雰囲気は、まあ寺子屋といったところだろうか。学年を混合にしたところで、一クラスの生徒数は数名。人数の少なさに加え、いずれも異国暮らしの心細さをかかえる身であるせいもあろう、生徒たちは概して仲がよくて団結心に富んでいる。スイスの現地校の様子はよくわからないが、私の子供たちが通うインターやリセでは、一クラスの人数は20人前後というのが相場だから、日本の学級よりはずいぶん少人数ではあるが、それでもこの日本人学校の寺子屋少人数教育の足元にも及ばない。そこには学級崩壊もなければ、落ちこぼれもおらず、急いで通う塾もないわけで、子供たちは放課後も4時半まで、運動場や体育館で思い切り遊ぶ、という実に伸びやかでゆとり満点のライフスタイルなのだ。 私は日本で子育てを経験したことがないので、今どきの日本の学校事情など、まったく疎いほうだが、チューリッヒの日本人学校みたいな学校が日本にもあるならば、これはまたこれでなかなかいいのでは・・と思う。うちの娘のような「お客さん」を温かく迎えてくれるホスピタリティ。「短い滞在を楽しく過ごしてもらえるように」と、それはそれは気にかけてくださる先生方。日本語がみんなほどは流暢に使いこなせない娘に対し、とても親切に、そしてまるで旧知の友であるかのように接してくれる級友たち。こういう日本ならば、私もそこに帰っていきたいな、とふと思った。 ここで繰り広げられているミニ日本的小宇宙は、マスコミを通して見聞きする昨今の日本とも、私が帰国のたびに身をもって感じる今どきの日本とも、かなり違っていて、それはまるで私自身が子供時代を過ごした「昭和のニッポン」みたいな世界なのだ。善意と勤勉、親切。「子は宝」的な子供観。「子供は薄着で元気に外で遊ぼう」的な子供観。そうそう、昔はどこもこんなふうだった・・・・。昭和の記憶もたいしてなさそうな若い先生方が、はからずもそうした昭和的子供観を下敷きに、熱血先生役を頑張っている様子は、まるで桃源郷に迷い込んだような錯覚を与える。あと三日間の体験入学を無事終えた暁には、「翌頑張ったご褒美」として、娘にはペットショップ(コレ、日本にもあるのかな?)のハウスなるものを買う約束になっている。いいや、たまにはこんなふうに物質的ご褒美でねぎらってやっても・・・。複数の言葉や文化の中でアップアップしつつも健気に頑張っている娘に、この場を借りて拍手喝采!
by michikonagasaka
| 2009-10-28 07:44
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