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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2011年 02月 14日
昨日、スイスではいくつかの案件での国民投票が行われた。その中で、今回もっとも大きな話題になったのが、武器の個人所有に関するもの。国民皆兵制(男子のみ)のスイスでは、兵役についたときに支給される銃はそのまま個人が保管してもいいことになっており、実はものすごい割合で「一家に一丁」が定着している国なのである。
国内で起こる殺人事件や自殺のうち、この「自宅の銃」を用いたものの割合が非常に高いことなどから、この制度を規制し、各自の銃の個人保管を禁止する法律を制定するイニシアティブが、今回の投票にかけられたのだ。 下馬評としては、今回は政治的な左右の違いを乗り越え、「女性の連帯」が案外力強く作用して可決につながるのでは、との見方がわりと濃厚だった。(政治的には、このイニシアティブはもちろん左派から出ており、右派政党は反対の立場を表明) ところが、ふたを開けてみたらば、56%で反対派が勝利。結局、銃保持規制法は成立ならず、現状のママ、誰もが好きなように自宅で銃を保持できる状態が維持されることに。そして、この手の国民投票が行われるたびに露呈されるフランス語圏とドイツ語圏の差、都市部と田舎の差は、またまた明らかすぎるほど明らかだった。 つまり、州別の結果をみると、銃規制賛成票の多い順に 1 ジュネーブ 2 バーゼル 3 ヴォー 4 ヌシャテル 5 ジュラ 逆に、銃規制反対票の多かったのは、 1 アッペンツェル 2 オプヴァルデン 3 シュヴィッツ 4 アルトドルフ 5 グラリス フランス語圏はおおむね「銃はけしからん」 ドイツ語圏はおおむね「銃は古き良き伝統」 という図式になっているわけだが、 これに加え、都市部(チューリッヒ市、バーゼル市、ベルン市、ルツェルン氏など)は、ドイツ語圏でものきなみ銃規制賛成であるのに対し、地方(ドイツ語圏)はのきなみ、圧倒的に反対票が多かった。ちなみに、銃規制反対のトップに躍り出たのはシュヴィッツ洲。スイス一、低い税金(スイスは税率が州によって違う)であることから、お金持ちがたくさん住んでいる州であり、またハイジの作者、ヨハンナ・シュピリの生まれ故郷でもある(って、これは余談だけど)。 ものすごく乱暴な比較をするならば、アメリカにおける共和党と民主党の支持層の違いと、かなりパラレルな傾向がスイスにおいても見られるわけだが、スイスの場合、ドイツ語圏のほうが人口が多いということもあり、総合得票ということになると、どうしてもドイツ語圏の結果がそのまま国全体の結果ということになってしまう。 お隣近所、みんな銃を家に持ってるのかと思うと、なんだかぞっとするけれど、「で、そのどこが悪い?」と開き直られると、ますますぞっとする。私が住んでいるチューリッヒ市は34.6パーセントが反対票で、これが州となると49.6パーセントだったから、なんとかぎりぎり「銃保持はけしからん」という立場だったが、反対上位15州ほどは、いずれも60パーセント以上(うち、トップ四州は70パーセント以上)の州民が「銃もっててもオッケーでしょ」という判断を下している。 先のイスラム教のモスクの尖塔建立を禁止する法律が通ってしまったときも(これは国際的にもかなりバッシングを受けた)、票の分布は今回とそっくりだった。伝統とスイス的なるものをしっかり守り、外からやってくるバイキン、邪悪なもの、異質なものはなるべく閉め出す方向で、という国民性が(とりわけ地方においては)驚くほど根強い。そういう土地に住み続けるのは、私にはやはり少々辛いのである。
by michikonagasaka
| 2011-02-14 17:12
| 考えずにはいられない
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