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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2011年 03月 20日
昨日はブログのサーバーがダウンしてしまったようで、ほぼ一日、アクセス不能状態になっていました。アクセスを試みてくださった方、ごめんなさい。
さて、チャリティコンサートのお知らせが入ってきたのでアップします。 東北地方太平洋沖地震 支援チャリティーコンサート 2011 年4 月3 日(日) 17:00開演 Zürcher Hochschule der Künste Grosser Saal, Florhofgasse 6, 8001 入場無料 *募金にご協力ください 皆様からの寄付金は、スイス赤十字を通じて 東北地方太平洋沖地震被災地救援のために使われます。 お話: Adolf Muschg(作家) 日本の音楽, クラシック音楽, ダンス... Japanisches Musik Forum Zürich 友人のバイオリン奏者 藤田容子さん、ヴィオラ奏者 神谷未夏さんも参加。私自身も出かけるつもりです。 NYに住む妹からは、ジャパンソサエティ がかなり精力的に義援金募集を行っており、すでに4000人以上の募金が集まっていると聞きました。 JAPAN SOCIETY EARTHQUAKE FUNDの詳細はこちらから。 ところで、日本国外の報道に接しながら、同時にユーストリームやネットなどで日本国内の報道をつぶさにフォローし続けていると、情報コンテンツ自体、そしてそれを伝えるトーン、切り口などにおける一種の断層のようなものを時に痛感します。 「CNNのいってることは政府の公式発表と異なる。政府はやっぱり何かを隠してるんじゃないか」 といった類の発言も、日本国内で散見します。 しかしながら、ここ一週間の私自身の観察によると、情報の断層は、むしろもっとシンプルなところ、つまり「日本語の壁」というところに多くを負っているように思われるのです。数日前から官邸、文科省共に英語でも新情報を発信するようになり、またそれまで「外国人記者閉め出し」だった記者会見に彼らを招いて同時通訳もつけるようになったことは大きな前進ですし、東大の早野教授(彼はジュネーブのCERNにもお勤め)や、中川教授の研究室など、情報や分析、知見の一部を英語発信している個人も、少ないとはいえ確実に存在してはいます。しかし原発のような非常に専門性の高い領域においては、得られうる信憑性の高い情報のすべて(専門家の見解も含めた)を、逐一、もれなく多言語で発信していくことは、やはり不可能、ましてや、被災地の自治体が、この非常事態に海外メディア向けの特別サービスなどできるわけがありません。そしてその結果、まずは圧倒的な情報量の差が生じています。 そして、ヨーロッパ諸国には、チェルノブイリのトラウマが非常に強くあることも無視できないポイントでしょう。地震や津波という事象自体は、大半のヨーロッパ諸国にとっては、自分のところにはまず起こらない、つまりどこか「雲の上の出来事」ですから、惨状のひどさそのものには関心や同情が一気に集まるものの、それを自国の状況に引き寄せて考察したり反省したり、といったマインドセッティングにはそもそもなり得ない。日本がアフリカの市民戦争や飢餓に対して、現実感を抱きにくく、またニュースヴァリューが低くなるのと事情は同じです。 ところが原発は違いました。折しもスイスはちょうど、国内3カ所で原発の改修・建設計画が承認されており、2012年にはいよいよ国民投票を、というタイミング、ドイツも昨年、メルケル首相のもとで、(シュレーダー時代の稼働停止計画から一転)原発の稼働停止延長を決定したばかりというタイミング。原発こそ持続可能でクリーンなエネルギー、いや原発はその危険が完全にゼロにならない限り絶対反対、という立場が、ただでさえ活発に議論をしている日常、という土壌があったところへ、今回の福島非常事態勃発。 対するフランスはといえば、なにしろエネルギー全体の8割近くを原発に頼る国であり、またそれは国の大切な主幹産業。原発エネルギーが3割程度のドイツやスイスのように、「停止」「凍結」といった結論を出す事は、国策上、とっても難しい。けれど国民の中には当然、不安要素が増大しており、「本当に大丈夫なのか」「日本の放射能がここまで飛んできちゃうんじゃないか」といった声が世論の中でうずまいているところを、政府や産業筋が「フランスは絶対大丈夫」と押さえつけている構造が、現在出現しているわけです。 地震や津波の災害は、心から気の毒で、なるべく手を貸し、力になりたい。その姿勢に嘘偽りはないでしょう。けれど原発については、限られた情報の中から、自国の事情に照らし合わせた形での報道が行われ、専門家たちでさえ、入手可能な(欧米言語で書かれた)情報にもとづいてしか見解を述べられない、そしてそうした報道を受けて、ますます世論はパニックの方向に流されていく。 そうこうするうちに、今度はリビアが大変なことになってきた。これまで毎日、新聞のトップを飾っていた日本が、昨日あたりからは、プライオリティが突然下がり、トップは軒並みリビアです。「なんだ、もう飽きられちゃったの?」と、自分の中のプライオリティは相変わらず、日本であり続けている者からすれば、やはりこれはどこか落胆する状況ではあります(とはいえ、リビアが大変ということは、もちろん承知しているわけですが)。 ともかくも、こと、報道とはそうしたものであることを、マスコミ従事者自ら、そして報道の受けてである視聴者、読者は肝に銘じておくことだと思います。その上で、「ここにはこう書かれているけれど、本当のところはどうなのか」というところまで、なるべく見通してみようという努力、これはとりわけ、こうした緊急事態においては平常時以上に必要とされる。それを私は自戒の意味も込めて、強調しておきたいと思います。 今朝のCNNで被災地からクーパー氏とSoledad O'Brienさんがリポートしていましたが、彼らのコメントには共感できる部分と「うーん、そう来たか」と首をかしげる部分がありました。けれど、私自身はCNN以外のソースにもたくさん触れているからこそ、こうした相対化もできる。CNNが唯一の情報源であったなら、やはり人はそれを唯一の「正しい情報」であると、どこかで無批判に受け入れてしまうかもしれません。 9.11からイラク戦争に突き進んでいったあの時期、アメリカの友人知人(そして家族)と、ヨーロッパに住んでいる自分との間の「感覚」の違いに、当時、かなりショックを受けた事を思い出しています。現在、被災地で大変なご苦労にさらされている方々のご無事を心から祈りつつ、また原発の対策、被災地の救命、援助活動に邁進しておられるすべての方々のご努力に敬意を払いつつ、自分の頭で考えることを厳しく自らに課していきたいと思っています。
by michikonagasaka
| 2011-03-20 19:41
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