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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2011年 11月 01日
秋休み中の娘と二人でパリへ4泊5日の旅をして帰ってきたところ。向こうはずいぶん暖かくて、ああ、また持ってくる服間違えちゃった、と、汗だくになりながら、あちこちをたくさん歩いた。
滞在先のホテルの近くにイリエのブティックがあって、あら、懐かしいと早速、入店。IRIE WASHのフリンジつきスカートを購入したら、なんと入江さんご本人が登場。深々と頭を下げて「ありがとうございました」とおっしゃっていただいたのには恐縮した。大昔、何かの雑誌の仕事で取材させていただいたが、その頃とちっともお変わりなく、特にこちらからご挨拶はしなかったけれど、こんな形で再会できたのは嬉しい驚きだった。ケンゾー、川久保玲に山本耀司をはじめ、古くからパリを活躍の場としてきた(世界的な)日本人デザイナーはたくさんいるけれど、そんな中にあって入江さんは、シャープだけれど決してとんがりすぎていない、そして押し付けがましくない、それでいてとてもパリっぽい服をつくる人。若い子にも似合うし、妙齢のマダムが着ても素敵な服。ポディウムの上でも、パリの路上でも同じようにしっくりくる服。私も忘れた頃に、ああ、こういうのがあったんだっけ、と思い出しては、シャツを一枚、パンツを一本、ジャケットを一着、とささやかにイリエの服を買い続けてきたけれど、地道に息長く、筋の通った服作りを続けている彼のような人が存在すること、存続していることは、やっぱり嬉しいことだ。 次いでサンジェルマンの本屋さん(子供の本が驚くほど充実している)で1時間ほど。娘がBD(バンドデシネ=漫画)に読みふけっている間、私は店内をうろうろ。で、発見したのがこれ↓ ![]() え、家計簿? と中を開くと、やっぱりそうだった。近頃流行りのコケシ人形といい、家計簿といい、manga (フランス語的に発音すると、鼻母音になってとても可笑しいのだけれど)〜ドラえもんからナルトまで、なんでもある、しかもちゃんと右開きで〜といい、そして雨後のタケノコ的なSUSHI屋の繁殖といい、フランスにおける「日本モノ」の存在感は、それはもうスイスなどとは比べ物にならない強烈さだ。 ・・・・な〜んてことを思いながら、今度は娘と一緒にレペットへ。バレエを習っていた頃はよくここでショッソンやレオタード、カシュクールなんかを買ってやっていたものだが、近頃、足のサイズが急に大きくなって私のレペットバレリーナをお出かけ用に勝手に拉致する娘(11歳ですが)は、今回もバレリーナコーナーに釘付け状態。一緒に物色していたら、あら、こちらにはこんなものが↓ ![]() そうか、レペット君、あなたも震災支援に参加してくれていたのね。ありがとう。 ところでパリに滞在するとき、とりわけ、プチホテル系に滞在している場合、朝ご飯はホテルで食べるのはやっぱり今ひとつ。というわけで、今回は、ご近所のフロールに通うことに。タルティーヌとカフェクレーム、そしてオランジュプレッセと、毎日、代わり映えのない同じものを注文。ここのパンは、えっと、どこから来てるんだったっけ、ヴィエノワズリー(クロワッサンなど)は昔は確かダロワイヨだったと聞いた覚えがあるけれど、バゲットはどこのだろう。皮がかりかりで香ばしくって、なんてことないのにとても美味しい。そしてエシレのバター。バターはフレンチがやっぱり一番美味しいと思うけど、無塩のバターは特にエシレが断然美味しい。あ〜、美味しいな、とかみしめながら完食。でも娘ったら、「ここのショコラ、今いち」とかいいながら残してる! んも〜、ネスクイックに慣れてると、こういうことになるから困る。 ![]() 買い物ばっかりしてないで、ほら文化的なパリも、と娘(と自分自身)をせきたて、子供用バージョンの「ノートルダムのせむし男」を観劇(すばらしかった!)したり、封切り直後のタンタンを観たり、シェークスピア&COの前で記念撮影したり(それって文化的といえるか疑問だが)、そっち方面もそれなりに盛りだくさんだったが、圧巻はオルセー美術館。改装したばかりで話題になってるから是非行ってみて、と、パリの友人にすすめられ、土曜の朝に出かけた。別の友人の話では1〜2日前まで「スト」で閉鎖してたとか。どうりで混んでるはずだ、と、その日は無事、開館していたのでほっと安堵。マネやモネ、ルノワールにヴァンゴッホ。評価の定まった教科書掲載クラスの超有名作品を、特に深い思い入れや緊張もなく、ゆる〜く眺めるこの感じというのが私はけっこう好きだ。 美術館のカフェでは、メニューに載ってたオーガニックエスプレッソを注文。娘はやはりオーガニックだというヴェルベーヌティーを。これがそれぞれ、香り高く味わい深く、なかなかすぐれていた。それにしても、あちこちで今回はよく見かけた、「BIO(オーガニック)」の表示を。パリもずいぶん、変わったもんだと感心。でもアパートの値段もものすごくつり上がってしまって、もはや昔みたいに町のど真ん中に住むなんてことはできそうにないわね、と、グローバルな富裕層に占領されてしまった感のあるこの町を、「パリよ、お前もか」と、少し複雑な思いで眺める。 ![]() 「金持ちしか相手にしない町になっちゃったよ」 パリ在住30年以上という、旧友カメラマンのAさんが昔ながらのカフェでぼそり。その彼も、そんなパリに嫌気がさして、つい最近、田舎に引っ越したばかりだ。 「変な外人もますます増えてるし」 ま、そういうAさん自身も外人なのだが、彼のいい分は私もよくわかる。 いつかこの町に生活者として舞い戻ってきたい、と、そうずっと思ってきたけれど、どうなんだろう? 「パリってすごく楽しいんだけどさ、でも汚いよね。トイレとか、駅とか、道とか」 スイス生まれ、スイス育ちの娘は、地下鉄の駅の階段にネズミ(rat)を発見しては「ぎゃ〜」と悲鳴を上げ、道に落ちてる犬の糞をよけながら「なんで拾わないの。信じられない」と絶句。私もスイス暮らしが相当長くなってきたから、今さら、逆適応はむずかしいかもしれない。でもツーリストとしてだったら、いつでも喜んで出かけるわ、の心境。 毎度のことながら、パリからスイスに戻ると「あれ、なんか顔色、いいんじゃない?」などといわれる。月並みだけれど、やっぱり相性がいいんだろうな、と思う。汚くても、高くても、不親切でも、オーガナイズぐちゃぐちゃでも、なんだか気が合う。日曜の朝、人であふれ返るオデオン(BUCI)のマルシェ近辺を散歩しながら、肉屋の天井からぶらさがる羽根つきチキンとかウサギ、きれいなお洋服を着せられたプードル、セーヌ通りの画廊のディスプレー、フルスタンベ―ル広場の突然の静けさなんかにいちいち目をとめて、ああ、ここにいると気持ちが落ち着くんだよね、私、と再確認。 さて、と、スイスでの暮らしという現実に引き戻され、これもまた人生、よしとしようぜ、と、自らを超ポジティブシンキングでテンション高め、叱咤激励、鼓舞しなくては。
by michikonagasaka
| 2011-11-01 23:33
| 身辺雑記
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