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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2011年 12月 06日
先週の週末は、息子の通うインターで演劇の上演があった。
たかが、子供の演劇とあなどることなかれ。この学校では、専門の勉強をし、自らも大人の劇団で脚本書いたり演じたり演出したりと大活躍の素晴らしい先生がディレクションをし、参加する生徒たちは三ヶ月にわたり、ほぼ、毎日、みっちりとリハーサルをする。役者はもちろん、音楽、コスチューム、ライティング、舞台装飾からポスターづくりまで、すべて生徒たちが参加。通常、年に二度、大きなプロダクションがあり、毎回、シーズンはじめにちゃんと本格的なオーディションがあって、配役が決まる。 さて、我が息子はここのインターに転校して以来、毎年、この演劇プロダクションに参加してきた。シェイクスピアのテンペスト、モリエールの MEDECIN MALGRE LUI(いやいやながら医者にされ)、ソフォクレスの鳥(の現代バージョン)、不思議の国のアリス、などなど、劇のタイプや内容も毎回、バラエティに富んで、それはそれは素晴らしい作品に仕上がるので、観劇するこちらもわくわく楽しみにしてきた。が、今回は、なんといっても高校生活最後の出演。大学受験や IB(国際バカロレア)の準備など、ストレス満開状態の最終学年だが、本人は迷った挙げ句、「やっぱりやってみる」ことに。時間のオーガナイズがとってもとっても不得意な彼のこと、最後の土壇場になって、あれもこれも時間切れで大パニックに陥るのでは、と私は心配したけれど、何年間も一生懸命取り組んで来た演劇の、これが最後の機会とあれば、やはり頑張ってやってみるのもよかろう、と、ひそかに彼の背中を押して応援体制につとめてきた。 今回の演目は、アメリカの児童文学の古典中の古典、 Dr. Seus の代表的な作品をいくつかミックスしてつくられたブロードウェイ・ミュージカル「 Seussical」。息子はこれの主役(象のホートン)を射止め、来る日も来る日も放課後のリハーサルに参加してきた。あまりに練習がインテンシブで、試験と重なったときなどは、本当に疲れ果てて勉強やる気ゼロの状態になり、それで本人的には集中できない自分自身に対してフラストレーションがたまったりして、機嫌がすっごく悪かったり、家族に当たり散らしたり、と、まあ、いろいろ大変だった。おまけに本番直前1週間でひどい風邪を引き、学校を数日休んだ(ということはリハーサルも休んだ)上に、声が出なくなるか、という危機にもみまわれた。 が、晴れて本番は、もうそれはそれは素晴らしい出来。ミュージカルだから台詞より、むしろ歌のほうが多いくらいなのだが、いったいこれだけたくさんの歌をいつの間に全部覚えたわけ??? と、まずはそのことにびっくり。小さいときからボーイソプラノだったけど、声変わりした後も声域は高い(テノールですね、もしいうとすれば)ので、高音の部分なんかは親の私がいうのもなんだけど、すごくきれいでかっこ良かった。 なにごとにも不器用で、人一倍、感受性が強く、また「どうでもいいようなこと」に対するこだわりがとても強かったり、かといって、外ではとてもシャイだったり、と、小さいうちから彼の人生はいろいろな意味ででこぼこで、本人としても決して「気楽で簡単な人生」ではなかったと思う。自然、親にもほめられることよりはしかられることのほうが圧倒的に多く、頑張ってもうまくいかないこと、報われないこともいっぱいある人生。私はそんな息子のことがいつも心配で、彼に対してはいら立ったりがっかりしたり、怒ったり、というようなことをものすごくたくさんしてきた。 でも今、舞台の上で高らかに歌っている彼は、本当に立派で、そしてなにより(演技かもしれないけれど)晴れ晴れと楽しそうだ。こんな素敵なことができるんじゃん、あんた。すごいじゃないの、と、母さん、もう感動しっぱなし。苦労の多い子だったから、よけいにこういう「晴れがましい状況」が胸にずしりと響く。ゆっくり、とてもゆっくりではあるけれど、この子もなんとか成長している。そういう実感をそのとき私は確かに抱くことができた(滅多にないことだ)。それが、ただただ嬉しかった。 こういう母をみて、息子はいうだろう。 「また、ママのドラマクイーンがはじまった」 ドラマクイーンで悪かったけど、でもしょうがないじゃん、母さん、涙止まらないんだもん。 頑張れ、息子よ。母さん、あんたをずっと応援するからね。
by michikonagasaka
| 2011-12-06 21:55
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