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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2013年 01月 25日
![]() 12歳の娘が学校から戻るなり、コートを脱ぐ間ももどかしく「これ、見て見て」とYouTubeのクリップを見せてくれた。water4allというプロジェクトをクラスのみんなと立ち上げ、アフリカのとある村に井戸を一つ掘るための資金を集めるのだという。 たまたま今、社会の授業で自然資源について学習していて、その一環として自分たちでできるチャリティプロジェクトを考え、そのPR&資金調達用にウェブサイトもデザインしたんだという。 そうかそうか、それはなかなか頑張ってるね、いいプロジェクトだね、と私も感心し、早速フェイスブックでシェアすることにした。 昨年秋より地元のインターナショナルスクールに転校した娘は、それまで通っていたフレンチリセとの勉強法の違いやクラスメートの雰囲気の違い、そして学習言語の激変(フランス語→英語)に翻弄されること数ヶ月。だがその間、彼女は新しい環境に懸命に馴染み、そして今や、インターが積極的にサポートする「地球市民育成教育」にすっかりからめとられている。それを親の私はなかなか好ましいことであると観察し、そして非力ながら助力も惜しむまい、と自分に言い聞かせている。 娘には日本に同い年の従姉がいる。その従姉が今年中学受験を体験し、つい数日前、めでたくも志望校への合格の知らせが届いた。ところが、「駄目もとでついでに受けた」もう一つの学校も受かってしまい、さて、どちらに進学すべきかという難しい選択を迫られた。しかも一つの学校は入学金の支払いが合格発表の二日後と設定されており、そちらに行きたければまずはこのお金を振り込まなくてはいけない。さあ、困った! 悩んで悩んで頭がぐちゃぐちゃになりそうだった姪は、私に電話をかけてよこした。 「おばちゃんだったらいいアイデアがあるかなと思って」 受験の前日には、その姪に電話で励ましの言葉を届け、ついでに「スイスからおばちゃんのとっておきの“気”を送っとくよ、これ、すっご〜くよく効く“気”だからね」と、まるでスーパーパワーの魔法使いみたいなことまでいって、ともかくは姪の健闘を祈ったものだった。だから彼女の快挙は飛び上がるほど嬉しいものではあったけれど、さて、どちらの学校がいいかと聞かれても、さすがに私はあれこれ意見を言える立場にはない。 スカイプ前半は、だから、それぞれがどんな学校かをよく知らぬまま、思いつくことをあれこれしゃべって、そして「でもさ、最終的には◯◯ちゃんがピンとくるほうの学校にしたらいいんじゃない?」というようなことを言った。そして「でもね、ちょっと待ってて。これからおばちゃんはその学校のことをちょっと研究してみるから。で、あとでもう一回話そうよ、ね」と締めくくり、まずはいったんスカイプ電話をオフにした。 それから私は大急ぎでその二つの学校のサイトに行き、沿革から教育方針、生徒の横顔から進路状況に至るまで、目をさらのようにして両校がどんな学校なのかを感じ取ろうとした。一つは国立大の付属中学で中高一貫の共学校。もう一つはカトリック系の女子校。ここ数年来の姪の第一志望は後者のほうで、付属のほうは「まさか受かんないよね」と思いながらも塾の先生にすすめられるまま、大して思い入れもない状態で受けたんだという。 生半可な知識で姪の判断に大きな影響を与えてしまうのはよくないだろうと思いつつ、それでも私は両校のサイトから感じたこと、そして私自身が高校受験のとき、どんな風にして学校を選んだか、その学校のよかったところ、よくなかったところ、それが後の人生に及ぼしたと思われる影響といったことについて、あれこれ話して聞かせた。 合計2時間あまりもスカイプして、なにやら進路指導の先生にでもなった気分だったが、赤ちゃん時代からよ〜く知っている、この聡明で個性的な姪が、自分の個性を伸び伸びと生きられ、それを開花させられる環境、というただその一点だけが私にとっての学校選びの判断基準だった。 片やアフリカの村に井戸を掘るプロジェクトに奔走する娘。片や中学受験をやっと終えた姪。生育環境も学校の様子も話す言葉も大きく異なるこの2人の12歳の女の子たちの頭と心の中で起こっているたくさんの嵐や竜巻に思いを馳せ、どういう教育が、どんな学校が、どういった親の態度やサポートがこの子たちのポテンシャルを大きく花開かせるのにふさわしいのかな、ということを考えた一日だった。 ちゃんとした大人の言葉は、まだまだ幼く見える子供にも案外届くものである。相手を子供扱いすることなく、適当に流すことなく、きっちりと向き合ってやると、その“気”は思いのほか、通じていたりもする。たとえ相手が子供であったとしても、常套句や世間の常識といったものでごまかさないで、彼らのために選んだ言葉で彼らに向かって話す、というのがたぶんいいものらしい。 そしてときには、彼らの中に自然につくられている「枠」をとっぱらったり、ぶち壊したりするような発想をも注ぎ込んでやる。「赤信号では止まらなきゃいけません」と規則をおうむ返しに伝達するのでなくて、「赤信号でも車がいなけりゃ渡っちゃえばいいじゃん。ね、そう思わない? よっしゃ、わたるぞ〜」などといって一緒に手をつないでゲラゲラ笑いながら渡っちゃう、そしてその後に「そもそも規則ってのはさ、別に規則だからやみくもにしたがってりゃあいいってもんじゃあないんだよ。なんでそういう規則になってんのかな、と考えないと」などと涼しい顔をして言ってのける、というように。 姪が合格した二つの学校のサイトには、教育理念としてそれぞれ「国家社会の優秀な成員を育成する」「産み育てる性としての女性教育」というようなことが書かれてあり、そのいずれにたいしても正直なところ私は「え〜、いまどきそんなこといっちゃうわけ?」と首をかしげたのだったが、それでもその陳腐な常套句的表現の後ろに見え隠れする「本音」のところ、そしてなによりも、在学生徒にどんな子たちがいるのかな、という部分をなんとか感じ取ろうとした。 娘と姪。2人の12歳が、世界に開かれた自由な思考のできる若者に育っていってくれるといいな、と思う。そのためにママは、おばちゃんは、貸せる手があれば喜んで惜しみなくこれを貸してやろうと思っている。 (というわけで、まずは上記のリンクへのサポート、よろしくお願いしますね!)
by michikonagasaka
| 2013-01-25 17:01
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