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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2016年 12月 23日
![]() 時をほぼ同じくして、別のベルリンの友人からメッセージが届いた。
Schockiert aber Berlin lässt sich nicht unterkriegen! (ショックだったけれどベルリンは降参しないよ) 同趣旨のメッセージは他の友人たちからも届いたし、メディアでうかがい知るベルリンの雰囲気は「にもかかわらず、平常心そのもの」である。辛いだろうに、ショックだろうに、立派なものだと思う。 例えばこの記事。 もう50年以上、この広場の近所に暮らしてきたヘルマンさんは言う、「事件当夜は、そりゃあショック以外の何物でもなかった。でも一日経って、今は理性を取り戻したよ。みんな落ち着いて冷静だ。ベルリンは自由と連帯の街だからね。そういう伝統なのさ」 ヘルマンさんのように感じているベルリン子はとても多いようだ、と記者は言う。街が麻痺しているような印象は全くない、と。 クリスマスマーケットは二日後には再開。私の友人を始め、多くの人が犠牲者を悼みに、そして、普通にクリスマスシーズンを楽しむために足を運んだ模様。Life goes onなのである。 さて、このような騒ぎが起こるたびに(そして今年はそういうことがたくさんあった)、在スイス日本大使館は、ご親切にも注意勧告の一斉メールを送ってくる。ベルリンの人たちが落ち着いて「いつも通り」の日常を続けている横で、「危ない地域は避けましょう」「テロの標的になりやすい場所を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等、安全確保に十分注意を払う」「クリスマスマーケットについては特に警戒する」など、まるで腫れ物とか危険物のように「よそ」を捉えるその口調は、いつものことながら私を少々苛立たせる。だが、さらに驚いたのは、上記メールに続く、第二伸。 「年末年始のイベント等を狙ったテロが懸念されます。12月20日には,ドイツのベルリンでクリスマスマーケットに大型トラックが突入し,多数の死傷者が出ています。」 と恐怖を煽るような書き出しに続き、 「以下のテロ対策をお願いします。 (1)最新の関連情報の入手に努め,「日本ではない」ということを忘れず注意を怠らない。」と書かれているのである。たまたまロンドン在住の友人と話していて、彼女も全く同じ文面の「警告メール」を受け取っていたことが判明。この世は「安全で平和な日本」と、「危険で、できれば訪れない方が好ましいその他外国」という二つのパーツから成り立っている、という世界理解で一貫しているようである。 同じ頃、ベルリンでは、「このような悲劇があったからといって、我々がパニックに陥ったり、ヘイトに向かったりするようなことをすれば、それはまさにテロリストの思うつぼ。今こそ、連帯と友愛を再確認し、自由や寛容という我々の価値観を守って行きましょう」という静かな決意を裏付けるかのような多宗教合同の追悼の会があり、再開したクリスマスマーケットへのたくさんの人出があった。そしてそれを励ますような外国の報道もいくつも目にした。 今回の悲しい事件によって、だが、メルケル首相はその難民政策に変更を加えるようなことはおそらくしないだろう。難民に対する市民の態度にも変化は起きないだろう。 取材を通して知り合ったベルリン在住の難民の人(パレスチナ出身)からもメッセージが届いた。 「本当に残念で悲しい出来事だった。でもね、いいニュースもあるんだ。窮屈で不自由だったキャンプを出て、とうとう自分のアパートを見つけたよ。僕の弟分のM(シリア人、18歳)も、数週間前からドイツ人の家に住むようになった。これで一安心。心穏やかに新年が迎えられそうだ。夢みたいだよ」 ベルリンの友人たちの落ち着き、平常心、静かな決意に心からの敬意を表したい。辛いだろうに、悲しいだろうに、「選挙対策」などということに惑わされず、自由と寛容の土地であることを最優先し続けようとするメルケル首相の勇気と信念にも。
by michikonagasaka
| 2016-12-23 09:52
| 身辺雑記
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