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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2007年 05月 10日
スイスで私が関わっているボランティア団体(ケアチームジャパン)では、医療の専門家を招いて定期的にセミナーを開催している。なかなか興味深い話が聞けるので、私も毎回、楽しみに出席しているのだが、その最新会のテーマは「更年期と老年期」。
更年期や老年期といった「人生における一定の時期」の医学的な定義にはじまり、それぞれの時期に訪れる典型的な症状やその原因、そして治療法など、初めて耳にすることも多々あり、とても勉強になった。だが、とりわけ印象深かったのは、そもそもなぜ、人間の女性はほぼ50歳で閉経するのか、という話。 「ほとんどの動物は、死ぬまで妊娠して、種の保存を優先。しかも、閉経によって骨粗鬆症や動脈硬化などの個体減少リスクが上がり、種の保存の原則に反する・・・なのに人間の女性はなぜ50歳で閉経し、その後、だらだらと20年も30年も生き続けるのでしょう・・・?」 セミナーの講師の先生はそういってメディカル素人の私たち聴衆に疑問を投げかけた。 「ほとんどの動物は死ぬまで妊娠」――まずは、その部分のインパクトが私としては大きかった。人間的な感覚(?)からすると、おばあちゃんになって孕むというのは、やはりどこか異様な感じ、グロテスクな感じがするものだが(いつだったか、イタリアで60代の女性が妊娠したというニュースがあったが、そう、まさにそういう話に触れたときにげーっ、うそでしょ、と反応してしまう、そういう感覚のことである)、なんだ、動物は死ぬまで平気で妊娠しちゃえるんだ、つまり一生、女であり続けるってことね、と、感心するやら、ほとんど嫉妬するやら・・・。 次いで、その問いへの答えとして先生は二つの仮説を紹介。 ①障害蓄積仮説 放射線や有毒物、薬など、環境の影響によって卵子の染色体異常が蓄積してしまう。良き種の継続のために、妊娠可能年齢の限界がある。 ふーん、なんだか優生保護法を自然が代弁してるみたいな話だな、と、いまいち、納得できない私・・・。 そして第二の説。 ②おばあちゃん仮説 ヒトの育児には手間や時間がかかるので、娘世代を手助けすることで、より多くの子孫を残すことに貢献。(娘世代の繁殖を手伝う方が集団としては効率的) 私はすぐにこっちの説に親近感を覚えた。私自身は親世代から育児の手助けはほとんど受けていない(なにしろ地理的に遠いので)が、周りを見渡しても国籍の如何を問わず、育児と仕事の両立に実家(特におばあちゃん)のヘルプが一役買っている例は枚挙にいとまがない。いや、ことは育児と仕事の両立だけには限らない。ともかく、核家族という形態で、たった二人やそこらの子供を育てていくというそのこと自体、たとえ両立すべき仕事がないとしても、これ、なかなか大変なことなのである。で、活躍するのがおばあちゃん。60代はいうまでもなく、70代でも近頃のおばあちゃんはかなり若くて元気。また、おばあちゃんであるからには、少なくとも過去に一度は子育ての経験があるわけで、その経験に基づいた知恵とかノウハウ、そして落ち着きは、私たち現役世代はどうしたってかなわない。なにしろ彼女たちには「遠近の視点」がある。渦中でないだけ、突き放した見方ができるし、24時間体制でないだけ、余裕がある。 もちろん世代の違いによる「子育て観」の違いは当然ある。しかし、てんやわんやでいるときに「もう一つ、手がある」というのがどれほどありがたいことか。しかもその「手」が、そのへんの学生バイトのお姉さんの「手」ではなく、「オムツ時代から思春期まで、ひととおりすべてを経てきたおばあちゃんの手」であるとしたら、その心強さは何物にも代えがたいではないか。 ちなみに現在のところ、第二の仮説のほうが有力だという。また、クジラやゾウも閉経後、長期生存する人間タイプの哺乳類なのだという。(ちょっと話はずれるが、ゾウの妊娠期間は2年間という話を、昔、私自身が妊娠している最中に聞き、気持ち悪くなったことを懐かしく思い出した) そして講師の先生は最後に付け加えてこういった。 「・・・つまり、更年期というのは新しい役割がはじまるスタートラインというふうに考えられるのです」 そうか、そういうものか、と、私は慰められたような力づけられたような。 あーでもやっぱり、もし魔法がかなうのだったら、このまま更年期に突き進むではなく、やっぱり38歳くらいのところにもう一度、返り咲きたいような気がするのは、それは私が強欲だからでしょうか・・・。
by michikonagasaka
| 2007-05-10 05:41
| 身辺雑記
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