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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2007年 12月 26日
同じタイトルで、雑誌「英語教育」一月号〈大修館書店)に雑文を寄せたばかりなので、それと内容が少し重複するが、11月、12月にわたって連続6週間、ドイツ語の集中コースに出席した。大学時代のゲーテインスティテュートを皮切りに、アテネフランセ、日仏学院〈以上、日本)、その後もパリやアメリカで、ときに必要に迫られて、ときに自分から意欲に燃えて、いわゆる「語学学校」というものに性懲りもなく何度も通う人生ではあったが、まさかこの歳になって、再び語学学校生になるとは、想像もしていなかった。
案の定、クラスではもちろん最年長! 語学がおぼつかない級友同士、休み時間にカフェでお茶したって、話題に広がりも奥行きもあるわけがなく、はっきりいって全然おもしろくもなんともないが、それでも毎日、まるで儀式のようにカフェに通い続けるこの感じ。ああ、昔もこういうのあった、あった、とほんのり懐かしい。カフェになぞ行かずに部屋で本でも読んでいたほうがよっぽど楽しいかもと思いつつも、角を立てることもないかと、二十代の女の子たちとのカフェ通いをそれでもずっと続け、宿題もまじめにこなし、やっとワンサイクル終了。 しかしドイツ語というのはどうしてこう、難しいんだ!! 「動詞リスト」というのが配られる。 「ver」ではじまる動詞というのが、20も30も並んでいる日があるかと思えば、「er」ではじまる動詞が20も30も並んでいる日がある。一度にそんなにたくさん来られても覚えきれるもんじゃない。 文法的なことは、それでもさすがに語学校暦が長いだけあって、わりによく理解できる。問題は無限に広がるボキャブラリーとか不規則動詞とか、要するに暗記系の事柄。 「年のせい」とあっさり片付けてしまうのもなんだかなぁと思うが、記憶力は確実に低下しているし、なにより覚えようという意欲がわかない。記憶力だけでなく、つまりは意欲も低下ってことかね、と、これもまた老化のせいにして、どんどん後ろ向きになっていくのもなんだか物悲しい。 ところで数日前、友人宅で晩ご飯にお呼ばれした。私以外は全員スイス人、またはスイス生まれのアメリカ人で、どの人も英語もドイツ語もまったく問題なくOKなのだが、会話の弾みでときどき英語がスイスドイツ語に変わってしまうと、私は突然、激しく蚊帳の外。6週間の集中コースで「ちょっとはましになったかも」と軽く自負していたところへ、この「まったくわからない」という状況は、かなりキツイ。いうまでもなく、私が学校で習っていたのは標準ドイツ語(ホッホドイチュ)で、スイスの方言(シュバイツァードイチュ)とは発音もボキャブラリーも、ときに文法でさえ全然異なるので、わからなくても当然なのだが、なんだかそれって虚しいじゃないか、と改めて怒りがこみ上げてくる。 これまでの語学学校体験では、学校で習った分だけ、現地の生活で進歩が実感できるという報酬が伴っていたからこそ、なんとか続けられたのだ。ドイツ語圏スイスにおいてドイツ語を習うことの厳しさは、究極のところ人付き合いの中で「進歩の手ごたえが得られない」ことに尽きる。理屈ではわかっているけれど、努力してるのに「蚊帳の外」になっちゃうという体験に何度も遭遇すると、あまりに虚しすぎて、もうどうでもいい、英語で通してやろうじゃないか、という気になってくるものである。 と、そんなわけで、一月からは語学学校は休学することにした。 現地の人と結婚し、子供が現地の学校へ通っている日本人は、それでも在スイス滞在期間が長くなるにつれて、それなりにスイスドイツ語もわかるようになっていくらしいが、今のところ私にはその方向で頑張ろうという意欲も覚悟もまったく湧いてこない。外人コミュニティーの中だけで、エックスパットメンタリティを背負ったまま、ぬくぬくと生きていくか、覚悟を決めて「現地同化」の努力をするか。迷いは尽きぬまま、今年もまた暮れていく・・・・。
by michikonagasaka
| 2007-12-26 02:10
| 身辺雑記
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