序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2008年 10月 07日
Fairy Tale Selectのウェブ用撮影。
20年来の仕事仲間、カメラマンのOさんが朝6時の電車に乗ってパリから来てくれた。 しかし、チューリッヒはその日、最悪の天気。 「物を食べるとその後、集中力を取り戻すのに少し時間がかかるので、そのまますぐ撮影に入りましょう」 というOさんの提案を受け、昼前から飲まず食わずで午後いっぱい、薄暗い室内でそれでもなんとか自然光で物撮り。 ようやく本日分の仕事が終了し、晩ご飯には、地元料理の店にご案内したところ、なんとその日は「豚を屠る特別な日」だとかで、通常のメニューの代わりに「メッツゲレート」という、いってみればシュークルートのスイスバージョンのメニューのみ。勇敢なOさんは、隣の客がおいしそうにほおばっていた血のソーセージ(直径5センチほどのどす黒いしろもの)に挑戦。私も一口もらってみたが、とても一口以上は・・・という、かなり特別な味だった(いや、味はともかく、テキスチャーのインパクトが結構強かった)。 その血のソーセージが「夢にまで出てきた」とは翌朝のOさんの弁。さぞやうなされたことだろうと、大変気の毒だった。 そしてこの日もまた最悪の天気。午前中いっぱいきのうの続きの撮影をして、昼過ぎの電車でOさんは帰途へ。 で、思ったこと―― このところ、雑誌の仕事というと、もっぱら人取材とエッセイ執筆ばかりだったが、久しぶりに物をあれこれ構成したり、ロケ場所を探したり、水滴たらしたり、アイロンかけたり・・・といった現場の肉体労働にどっぷりとつかり、ああ、こういうのもなかなか楽しいな、と。 なんでもかんでもメールで済ませてしまう昨今、机上の仕事ばかりがやたら増え、と同時にどこか「机上の空論」的側面も増えてきたように思う。そうだ、私は現場というものが結構好きな人間だったのだ。物に触れ、相手の目を見て話し、匂いをかいだり味見をしたりというところまでをも含めた形での現場仕事。こればっかりだと、それはそれで頭がからっぽになっていきそうでつまらないが、ときどきはこういう要素もあったほうがいい。そういうことを久しぶりに思い出し、忘れかけていた「雑誌編集の仕事」というものを、もう一度、ちゃんとやってみるのも楽しいかな~などと思ったことだった。机上の空論(=抽象)と、現場の実務(=具象)の両方があったほうが、やはり私には楽しいし、刺激にもなるらしい。
by michikonagasaka
| 2008-10-07 00:11
| fairy tale & サステイナブル
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