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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2009年 03月 04日
娘のバレエのお稽古の更衣室で耳に挟んだ子供たちの会話より・・・
A(7才):「うちには男が一人、女が四人、あ、ちがうか、半分のお兄ちゃんdemi-frèreがいるから男が一人半だ。あなたのとこは?」 C(8歳):「うちはね、えーっと、パパとマックスで男が二人、でママと私で女が二人。ねえ、その半分のお兄ちゃんってなんなの、ところで?」 A:「え、あなた、半分のお兄ちゃんってなにか知らないの。やだ~、信じられない、ね~、Sちゃんはわかるよね」 S:「もちろんわかるわよ。半分のお兄ちゃんってのは、サイズが半分、つまり赤ちゃんてことなんだよ、あなたみたいにね、Cちゃん」 C:「え、あなたのところって赤ちゃんいたっけ?」(とAのほうに向き直る) ・・・・ここでAとSは顔を見合わせて爆笑。「Cったら、半分のお兄ちゃんのこと、知らないんだ。子供ね~」「ほんと、子供ね~」「きゃはははは・・・・」 馬鹿にされたC、必死で反撃「ねえ、ねえ、いいから教えてってば。なんなのよ、その半分のお兄ちゃんってのは?」 A:「Ok。じゃ。教えてあげましょう。えへん(と咳払い)。たとえば、たとえばの話よ。私のパパが、ある女の人を好きになるとするじゃない。で、その結果、子供ができました。オッケー? で、そのあと、えーっと、パパは他の女の人を好きになるわけ」 C:「あ、じゃあ、最初の人とは離婚?」 (AとS、そこでまた吹きだす) A:「ちがう、ちがう。パパはその女の人と結婚してないんだから、離婚もしないわけ。ただ子供が生まれただけなの」 C:「ふーん、そっか」 A:「で、とにかくその他の女の人ってのが私のママなわけ。で、パパの前の彼女の子供っていうのが、まあそれは男の子だったんだけど、それが私からみたら半分のお兄ちゃんになるの。わかった?」 C:「あ~」 というわけで、フランスの子供たちの会話には、このようにモザイク家族(パッチワークファミリーともいう)というテーマがごく普通に登場するような場面もあるわけだ。 先進国の中では抜きん出て出生率の高いフランス。事実、娘の通うフレンチリセでも、四人程度の多産は、20人ちょっとのクラスで、だいたい2-3人ほどはいる感じ。だが、そうした「統計上の多産」の背景には、離婚や再婚、シングルマザー、パッチワークファミリーに養子、と、とにかくいろんなバラエティがひそんでいる。そのへんを見過ごして、ただただ育児手当や保育園事情なんかを視察してこれを真似しようとしたって、なかなか期待通りに出生率なぞ伸びないってこと。 妙にさばさばと「大人の現実」に理解を示し、したり顔の子供たちが、ヨーロッパ社会に長年暮らしているとこんな具合にたくさんいるもの。だが、私の長年の観察によると、親の離婚や離別を喜ぶ子供は滅多にいない。どんなにさばさばしているように見えても、子供たちは本当はおとぎ話みたいな「めでたしめでたし」の幸せな家庭を望んでいる。子供は政治的にとってもコンサバ。パパとママがすごく仲良しで、人前で平気でいちゃついてるくらいなのが子供は嬉しいのだ。パパとママが諍いをはじめると、必死に仲裁に入ったり、耳をとじてこれを聞くまいとしたり、泣いて「やめて」と懇願したり・・・。これ、進化論的にもきっと説明可能なことなんだろうと思うけど、「子は諍いの元」にもなりうるし、また「かすがい」でもありうる。 つい最近お邪魔したお宅のご夫婦がとっても仲良しで、そしてそこの12歳になる一人娘は、複雑な家庭の事情をかかえるクラスメートを横目でみながら(つまり、そういう現実を知識としては充分把握しながら)、自分とこの仲良しパパママの様子を、とっても嬉しそうに眺めていたりする。 選択があるってことは、自由謳歌でいい反面、人生ややこしくもなるってこと。Aちゃんの話しぶりをふむふむと聞きながら、自由な時代の不自由のこと、ちょっとだけ考えた。
by michikonagasaka
| 2009-03-04 07:05
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