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序文にかえて
パリを皮切りに、アメリカ、ロンドン、そしてスイス等、国外が人生の半分以上になりました。多様な人々や文化や言葉に晒されるのがごく当たり前の日常。その中で色々なことを思ったり考えたりします。音楽と文学と哲学とお酒が、たぶん一番好きなことですが、昨今の国内外の状況には、いつまでもapoliticalでいられるはずもなく、ここでもときどき政治のことを書いたりします。
最新刊 「パリ妄想食堂」(角川文庫) 近著 「神話 フランス女」(小学館) 「難民と生きる」(新日本出版社) 「旅に出たナツメヤシ」)(KADOKAWA) 執筆依頼、その他、お問い合わせはmnagasakaアットマークbluewin.chまで カテゴリ
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2009年 06月 25日
夫の友人(私も仲良し)のGが、夫と共著の本の執筆打ち合わせのために、うちにしばらく居候していた。
限られた滞在時間、さっさとディスカッションをはじめよう、とやきもきする夫の焦りを尻目に、Gは余裕たっぷりに我が家のインターネット接続のセッティングに興味を示す。最終的には経営学の博士号を取って、現在は大学教授のGだけれど、もともとはITで修士をとった技術畑。我が家の接続が「どうも理屈に合っていない」と気になるようで、「もし、よければちょっと修正したいんだけど」と提案。 実はうちの接続、二転三転、いろいろトラブルがあり、最初の電気屋二人は何時間も(いや何日も)ああだこうだいじった挙句、お手上げでクビ。ようやく三人目のお兄さん、やはり何時間もかけた末、とうとう問題を解決。ところがその後、私の店のためのクレジットカードマシンを導入する際に、やはりインターネットに接続する必要があって、それをやり始めたら、全部がぐちゃぐちゃになった(のかどうか)。で、再度、お兄さんにご登場いただき、やはり数時間のバトルの末に、なんとかこちらも解決。 「古い家なので壁が厚く、ワイヤレスは難しい」 「コンフィギュレーションを設定しないと複数のコンピューターの間で競合する」 「IPアドレスをそれぞれに設定する必要がある」 「地下部分に関しては、ワイヤレスはマニュアルでオフにしておきます」 等々、都度、説明を受けたけれど、私はなすすべもなく、というか理解のしようもなく、おまかせフルコースをするしかない。そうこうするうちに、スイスプライス時給○○フラン(日本円に換算したら、きっとぶっ飛ぶと思う)はどんどん加算され、受け取る請求書は、毎回「マイグッドネス!」状態。 ・・・・と、そんな大変で(しかも高額な)「履歴」があるので、ことインターネット接続に関しては、私も(わけわからぬまま)用心深くならざるをえない。Gのせっかくの申し出ではあったけど、これですべてがパーになっちゃったらとんでもない、という恐れが先に立ち 「いや、とりあえず、今のまんまでなんとか事足りてるんで・・・」 とやんわりお断りの方向に持っていこうとするのだけれど、アルゼンチン出身、イスラエル国籍のG君は 「大丈夫だって。ぜったいもっと使い勝手がよくなるから。ね、ね。で、万が一、うまくいかなかったら、すべてを現在の設定に戻すから、問題ない」 と、おだやかながら、しっかり主張するので、ついに私も根負けして、 「オッケー、じゃあ、お願いするけど・・・」 と承諾。 結論から先にいうと、G君、妙にややこしかった設定を、非常にシンプルなものに変え、なるほど使い勝手は断然よくなった。途中、電話回線が不通になったり、接続はきているのにネットにつながらない、など、いくつかの「問題」は発生したものの、そのたびに、G君、それはもう落ち着き払ったもので、かんしゃくも起こさなければ、ギブアップもしない。 すごい、これが技術屋さんのメンタリティってやつなんだ・・・・。 私も夫も、かなりローテク(夫は私よりもっとひどい)なので、IT系のトラブルは、もうそれだけでものすごいストレスで、ただでさえ気が短い(二人そろって)のが、ますます忍耐ゼロになって、一人で怒鳴ったり、泣き声出したりすることがしょっちゅうなので、このGくんの冷静沈着な態度、そして理論立てて考えて「絶対うまくいくはず」と信じ込んでひとつひとつ丁寧に問題を解決していく姿勢には、本当に感心。 最初、G君の介入に及び腰だった私は、畏れ多くもこんなことをいった。 「でもさ、あなたがITの修士とったのは20年も前のことでしょ。その間、技術はすっごく進歩してるんだからさぁ・・・」 と、まるで「あんたは時代遅れ」「スイスの若い世代の電気屋さんがこれだけ苦労した問題が、旧世代の君に解けるわけないだろう」といわんばかりの疑心暗鬼丸出しだったのだ。が、今回の事例でよくわかった。 高いレベルである分野をきわめている人には、「全体像」が見張らせる。逆に、AというケースにはBという手順、Cという問題にはDという解決法という仕方で、ノウハウだけを学んだ人は、個々の事象にケースバイケースで経験則的に対応していける(それすら当然、私ら素人にはできない)けれど、自分がやってることの「意味」、その背景の理論の部分は、まったくノーアイデアだ、ということが。 私のGを見る目は、ハートマークの尊敬の固まりに変身し、その夜は腕をふるってたくさんご馳走をつくってあげた。気になる「インターネット問題」を解決したあとは、G君もすっきりしたらしく、この騒ぎで「浪費した時間」を取り戻す素晴らしい充実ぶりで、午後は本のほうの話し合いも非常に生産的でうまくいったらしい。ギターを弾くのが大好きなG君と、夜中まで、一緒に(私はピアノで)ピアゾラ・タンゴを弾いたり、即興でてきとうにジャズってみたり。一仕事終えたあと(って私はご飯つくり以外はなにもやってないが)の、ゆる~く楽しいひとときだった。
by michikonagasaka
| 2009-06-25 01:14
| 身辺雑記
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